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電力

独エーオン、余った電力を水素に変換してガス管へに流すことを計画 88

ストーリー by hylom
日本でガス会社と電力会社が協力するとは思えない 部門より
s-kei 曰く、

Bloombergの報道によれば、ドイツ最大のエネルギー(電力&ガス)企業のエーオンは、余った電力を水素に変換し、既存の天然ガス供給網に混ぜて流す計画を発表した(プレスリリース)。

風力発電は比較的安価ではあるが、電力需要と無関係に発電するために電力が余ることがあり、場合によっては一時的に発電を止める(解列する)必要がある。ドイツではこうして無駄になった電力が年間合計127GWh(2010年の場合)に達し、無視できない量になっている。蓄電技術を使えば貯めておけるが、コストが高め。水素に変えても、専用貯蔵施設を造るとコストがかかる。

今回の計画は電気分解で製造した水素を、既存の天然ガス供給網に流して使うという所が新しい。既存の天然ガス供給網を使うので追加投資額が抑えられ、また水素は5%までならば何の問題もなく混ぜられる。中期的には15%に上げられると見込んでいるが、これはドイツの再生可能エネルギーによる電力全てをガス供給網に貯められることを意味するという。ブランデンブルグ州に建設されるパイロットプラントの製造能力は毎時36立方メートル、建設費は500万ユーロ。2013年から稼働させるとのこと。

日本や他の国でも、利用できるのでは無いだろうか?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 7時50分 (#2059728)

    現在利用されているガス管は、鉄管かポリエチレン管ですが、水素流すと、鉄は水素脆性示すし、ポリエチレン管は水素透過するので難しいかなと。
    あとすごい燃えるのが早いのでガス機器の設定変更も必要かなと

    • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 8時16分 (#2059740)

      家庭に繋がってる地中配管は問題ないでしょ
      鉄管にすごい高圧がかかってるわけじゃないし、空気中の水素濃度以上にポリエチレン管からダダ漏れすわけでもないし

      問題が出そうなのは上流側の貯蔵タンクなどの方ではないのかな?
      高圧タンクなどでは確かに水素脆性や漏れの心配などがあると思うが

      ところで電気からどうやって水素に変換するんだろう? 水を電気分解するのなら、残りの酸素はどう処分する?

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      • by T.SKG (20663) on 2011年12月02日 9時12分 (#2059754) 日記

        > 問題が出そうなのは上流側の貯蔵タンク

        従来の施設を少し改修するか、最低限のものを新設して薄まるように調節しながら従来のタンクへ送るか
        いずれにせよ、追加費用を最小限に抑えつつ、発電機を遊ばせないというのが発想だと思います。
        電気分解というのも、シンプルに水を酸素と水素に分解して酸素は捨てるのじゃないでしょうか。
        純度の高い水素の応用とか、もっと電気化学工業的な製品製造を、敢えて考えないのが要点でしょう。
        ---------------
        ついでに、プレスリリースだと、水素は毎時360立法メートルですね。

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        • タレコミ人です。

          >ついでに、プレスリリースだと、水素は毎時360立法メートルですね。

          ありゃ!すみません、打ち間違えたようです。
          お手すきの時に訂正頂ければ幸いです(_._;

          ついでにこれで分からなかったのが、「立方メートル」が普通はどういう状態を指すのか、という点です。
          0℃、1atm なんでしょうか。

          # ガス関係は全く素人です。

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          • おっしゃる通り、普通は標準状態(0℃、1atm)で書きます。標準状態での体積であることを明示したい場合は、Nm3とかm3Nという書き方をしますね。
            親コメント
            • by s-kei (16661) on 2011年12月02日 14時00分 (#2059994)

              ありがとうございます。確かに、論文や公的文書でも標準状態で扱われてるようですね。

              そうすると、
                360Nm^3/h × 熱量10780~12790 kJ/m3 [iwatani.co.jp] = 1078~1279kJ/s = 1.1~1.3MW
              試験プラントは1MWぐらいの規模、ということになりますね。

              500万ユーロ=5.5億円ぐらいなので、5.5億円/MW = 55万円/kW 。
              容量だけでみると蓄電池より高いけど、一日に何時間も運転できる(=その分、何倍もの余剰電力を吸収できる)ところが違う。

              じゃあ一日にどれぐらい運転しそうなのか。
              風力全体の発電量は37793GWh/年@2010 [erneuerbare-energien.de](12頁)。
              127GWhといっても現時点では0.34%に過ぎないから、あまり運転時間は長く無さそう…一日平均5分?(^^;
              というわけで、もしも2010年時点のままなら、そもそも余る電力が少なすぎて元がとれなさそう。 けど、一日あたり数時間単位で運転するなら元が取れるのかな(ガスと電力価格比次第だけど)。仮に3時間とすれば、余剰電力が現在の30倍とか40倍になる頃が目安か。

              では今後の予定では?
              同じ資料 [erneuerbare-energien.de]の9頁に再生可能エネルギー全体の今後の予定があって、2010年はシェア17%のところ、2020年には倍の35%(以上)、2030年には50%(以上)。
              たぶん余剰分は加速度的に増えるから、このペースなら(例えば)今後10年ぐらいで元が取れるようになるのかな。(というか、そう踏んだから着工するんだろうと想像。)

              # あちらのガスの価格やプラント運転保守費・寿命等が分からないので、何か参考情報あればよろしくです。

              親コメント
      • タレコミ人です。
        元のプレスリリース [eon.com]には、既存のガス供給網に「貯められる」からいいんだ、と書いてあります。
        既存のガス供給網には大規模なガスタンクがあり、常にガスを供給しています。この計画で造った水素を足した分だけ、ガスタンクからの供給を絞ればOK(結果的に既存のガスタンクに注入するのと同じ)、ということかと思われます。

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      • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 10時06分 (#2059783)

        基本思想としては

        電気が余ったら水素を生産して溜めずにすぐに天然ガスに混ぜて流す
        (天然ガスを使用する機器や配管等に影響のない範囲(それが5%?)で)

        その分天然ガスが節約できる

        って感じだと思うんで、大掛かりな貯蔵設備はいらないでしょうね
        むしろ、常に天然ガスが流れている、量が十分のラインがあれば、水素を昇圧して混ぜて流すだけなんで貯蔵はまったくいらないかも。

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        • by Anonymous Coward

          ドイツとロシアをバルト海底を経由して結ぶ天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム」を(1兆円以上かけて)作ったくらいですし
          ドイツにおける天然ガスの供給網(と需要)は十分あるみたいです

      • by Anonymous Coward

        酸素は売ればいいんじゃないの?

        病院でも老人ホームでもスポーツジムでも
        買い手はいくらでもいるでしょ。

        炭水化物系のごみ処分にもいいんじゃない?

    • by Anonymous Coward

      これをクリア出来るのが5%という意味では?

    • by Anonymous Coward

      天然ガスはもともと水素が混ざってるみたいですよ

      • by SanPierre (37035) on 2011年12月02日 11時51分 (#2059868) 日記

        ja:Wikipediaの天然ガス・組成 [wikipedia.org]の項を見ても、普通は水素が入ってないように思えます。
        現在、日本で使われている都市ガスは天然ガスを希釈・調整して作る「13A」という規格が多いのですが、これにも普通は水素は入っていないです。
        参考:http://home.tokyo-gas.co.jp/userguide/netsuryou.html [tokyo-gas.co.jp]

        ただし、かつての都市ガスは石炭・石油系から作っていたものがあり、その場合かなり高い水素濃度のものを実際に供給していたようですね。
        ちょっと検索しても、「5C」規格で水素45.5%としている記述があります。
        # COも高いので今の感覚だと非常に怖い

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        • by SteppingWind (2654) on 2011年12月02日 19時09分 (#2060152)

          # COも高いので今の感覚だと非常に怖い

          ですので, 昔はガス自殺というのが多かったんです. チャップリンの「ライムライト」(1952年)でも, 冒頭でガス自殺未遂のシーンがあるんですが, 若い人には分かりにくいのかもしれませんね.

          親コメント
  • 「Wikipedia:ヒンデンブルク号爆発事故」記事にある「住友金属社員」のように、東京ガスとか東京電力の社員をドイツ派遣したら、超々ジェラルミンの代わりを持ち帰ってくれるかも?(戦時下ではないから無理?)
    • by Anonymous Coward

      どこが「漁夫の利」なの?>住友金属社員
      ハマグリとシギに相当するものは?

      • 敢えてコジツケで、語源由来辞典の解説風に言う(汗)なら、

          独エーオン(ハマグリ)が余剰電力の水素転換で事故を起こし、
          公共性を鑑みて事故情報を公開したら(日向ぼっこして殻の口を開けたら)、
          「大手メディアや政府(シギ)」が口を挟んできて(飛んできて)、
          大上段から安全性に対する批判を展開して社会的信用を失墜させ(ハマグリの肉を食べ)、
          色々とやり取りしても埒が明かず法廷闘争へともつれ込み(ハマグリは殻の口を閉じてシギの足を挟んだ)、
          識者やエコ推進派などを巻き込んでドイツ社会を二分する大論争となった(両者が譲らない争いをしていた所)。

          たまたまドイツへ派遣されていた東京電力・東京ガス社員が(たまたま通りかかった漁師が)、
          エスカレーションを防ぐ事故対応方法とと事故防止策を入手した(両者を難なく生け捕りにした?)。

        とまあ、最後は本当にコジツケ臭いです・・・(大汗)

         「両者が争っているすきに、第三者が骨を折らずにその利益を横取りするたとえ。」(Goo四字熟語辞典)
         「両者が争っているのにつけ込んで、第三者が利益を横取りすることのたとえ。」(Yahoo国語辞典)

        という事なので使用しましたが、「もっけの幸い?」とした方が、意味が伝わりやすのかな?

        親コメント
  • 東電の原発事故に際して送電事業分離が議論されているが、このニュースでガス供給の競争活発化のため、ガス会社に対して送ガス事業を分離せよ、という議論に発展しないだろうか?
  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 13時34分 (#2059972)

    ネガティブなコメントしてるのは利権維持に汲々としてる
    原発推進派の工作員でしょうなあ:-P

    >部門名
    「電力会社が協力しないのなら
    ガス会社が自前で風力発電してしまえばいいじゃない」
    by マリー=インフラネット

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 7時27分 (#2059724)

    ・水素は漏れる
    ・ガスの性質がどう変わるか分からない

    ということで、爆発事故が発生しやすくなったりするかも。

    • ドイツのガスの規格が日本と違って結構多彩かつ安定してなくて,ドイツ向けにガスを使用する機器を売ろうとするとそれに対応するのが大変って話を聞いたことがあるんだけど,逆に,結構広い組成に対応した機器しか売れないから,水素をちょっとくらい混ぜてもOKっていうことなのかもしれない。

      日本だと,みんな真面目だから,水素をちょっと混ぜてもOKって話にはならんだろうなあ。きっと。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 9時53分 (#2059772)

      前から思ってるんだけど、/.でこういうコメントをする人って、事業者がこういう基本的なところを全く考慮してないと思ってるんだろうか?

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        東電の例を見ちゃってるから、基本的なところを考慮してて当たり前ってのが、
        信用できなくなってるんですよ。

        • by Anonymous Coward

          営利が絡むとNASAですら基本的な問題を無視する世の中ですから

      • by Anonymous Coward

        既出ですが、基本中の基本を根底から無視した東京電力という世界最大の電力事業者の例もありますから。津波のせいだと嘘をついていますが、実際は震度5の地震で津波到来前に壊れている。専門家のいる大企業だからちゃんとやっていると仮定するのはアブナイです。むしろ、専門家の口封じに金と政治力を投入したりすることもあるので。

        まあそれはさておき、天然ガスのパイプラインに少量とはいえ水素を混入するのは、決して単純でも容易でもないアイデアで、相当な検討と計画は必要ですね。水素は金属に浸透してもろくするので、水素専用のボンベでさえ耐用年数は天然ガスや液化石油ガスのものより短いですし、5%までという制限は、そこらへんを勘案してのことでしょう。

    • by Anonymous Coward

      >また水素は5%までならば何の問題もなく混ぜられる。中期的には15%に上げられると見込んでいるが、

      まぁ5%までは大丈夫らしいじゃないか、もう少し頑張りたい。

      • by Anonymous Coward

        そこは、「危なくて5%しか混ぜられない」と読むべき。

        • by Anonymous Coward

          水素は5%までならば何の問題もなく混ぜられる。中期的には15%に上げられると見込んでいる

          これを

          そこは、「危なくて5%しか混ぜられない」と読む

          のは間違いなく誤読でしょう。
          先入観を捨てるべき。あるいは結論を先に用意して読まない。

          • 元記事は完全な誤読でしょうけど、実態はそのとおりじゃないかな。水素はカロリーも違うし、燃焼速度も違うから既存ガス器具で燃焼させることを考慮して、かつ十分なマージンを採ったら 5% 位、という判断じゃないかと。中期的、というのはガス器具の切り替えを含めての事と思います。水素自体はガス管流す実績はありますけど、水素はカロリーが低いので既設ガス分配系に余裕が取れるかという問題もあるかもしれません。
            親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 7時38分 (#2059725)
    fuku1を水素発生装置に転用すればいいじゃないか
  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 7時49分 (#2059727)

    燃料電池との関連で、水素を現存するガス管網で供給するって構想はあったと思うけど。

    3.11 の教訓として、事故を含めたリスク/コスト評価の必要性ってのがあると思うんだ。
    その意味で、水素を取り回すってのはハイリスクに過ぎると思うんだが。(まぁ、素人だからかもしれないけど

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 8時07分 (#2059732)

    って言い方はちょっとヘンじゃないの 「電力」とか「変換」って言葉はもっと科学的(?)な叙述を予期させるというか

    ○ 余った電気を水素に変えて

    とかなら全然OKだろうけど

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 9時36分 (#2059766)

    水素を5%混ぜたら、天然ガスの消費が5%減らせるんでしょうか?

    • by Anonymous Coward
      体積比では減るんじゃないかな。
  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 10時23分 (#2059795)

    水素ってもれそうなイメージがある。

    • 電気を貯蓄するために水素にしたのにそれで発電しちゃったら発電効率で損するだけじゃない.

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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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