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電力

砂糖から電力を取り出す砂糖電池 52

ストーリー by hylom
スタバで砂糖を燃料として補給する人が現れる未来へ 部門より
eggy 曰く、

バージニア工科大学の研究チームが、エネルギー密度がリチウムイオン電池よりも大幅に高いというバッテリーを開発したとのこと。しかも再充電可能であり、砂糖を材料としているため生物分解性の特徴を持つという(slashdot)。

この生物燃料電池では、白金やニッケルの代わりに酵素からつくられた触媒を利用し、燃料物質を分子に分解してエネルギーを取り出すのだが、この燃料物質に砂糖を使っている点がポイントだ。材料の入手や運搬が容易で、生物分解が可能になるというメリットがあるという。

これまでも砂糖を利用した燃料電池は開発されてきたが、既存のものは砂糖を完全に酸化させることができず、結果としてエネルギーを少量しか蓄えることができなかったという。一方で、今回考案された電池は触媒として13種類もの酵素を使用し、それらが自由に循環することで砂糖分子から効率的にエネルギーを取り出すことができるという。エネルギー密度は596Ah/kgだそうで、これは従来のリチウムイオンバッテリと比べて「1桁大きい」そうだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • エネルギ密度 (スコア:4, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2014年01月27日 18時14分 (#2534380)
    Ah はエネルギじゃないよね.

    元論文 [nature.com] の Figure 4 (小さくて見にくいですが) によると,
    Li-ion バッテリが 150Wh/kg なのに対して,596Ah/kg という条件に対応する 15% Maltodextrin (って何じゃらほい)
    を使ったときで 300 Wh/kg くらいです.Li-ion に対して,2倍くらいのエネルギ密度ということらしい.

    1桁大きくなるのは濃厚な燃料を使ったときで 100%メタノールの場合で2200Wh/kg を越えます.

    食品としての砂糖1kg のカロリーが 3000kCal くらいらしいので,
    3000kCal/kg → 12500kJ/kg → 12500kWsec/kg → 3.49kWh/kg → 3490Wh/kg .
    300Wh/kg だとその1割弱を電力にできるってことか.
    • by Anonymous Coward on 2014年01月27日 19時12分 (#2534412)

      Ahはアンペア時だから、電池の酸化還元反応で移動する電荷の総量ですね。アンペア秒が1クーロンなので、1Ahは3600C。

      エタノールなら砂糖をアルコール発酵した時の生成物なので、それよりも体積あたりの酸素が多い(=体積あたりのエネルギー密度が低い)メタノールの方が「エネルギー密度が高い」のは不思議な感じがするけれど、純物質と砂糖水の飽和水溶液(15%)と比べてるわけね。

      だったら、純粋な砂糖を少しずつ水に溶かす方が密度高いんじゃないだろうか。てか、水の中に不飽和なままつっこんでおけば、分解したそばから溶けていきそうだけど。

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    • by Anonymous Coward

      造語かな
      maltose:麦芽糖:ブドウ糖が2つつながったもの
      dextrin:ブドウ糖がいくつかつながったもの
      2つより多いんだが明確な数はない。
      難溶性デキストリンなんて言葉があるくらいなんで、
      水に溶けるってのが目安。
      #グリコーゲンとかでんぷんになると溶けない

      つまり水溶性のブドウ糖べーすの多糖類くらい?

      ちなみに砂糖は蔗糖メインの混合物
      蔗糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖類

      • by Anonymous Coward

        その理屈でいうと、セロビオースとマルトースが区別できませんね。malto-とわざわざことわっているのは、グルコースのαグルコースでの重合であることを指しています。

        ちなみに、
        https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%87%E3%... [wikipedia.org]
        によると、鎖の数が2以上20以下だそうで、この定義では二糖を含んでいますね。

  • 無線機器に使おう (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2014年01月27日 19時07分 (#2534411)

    いわゆる一つのサトームセンというわけですよ。

    • by Anonymous Coward

      うまいっ

      • by Anonymous Coward

        あまいっ

        • by Anonymous Coward

          こんなすとーりーにまじになっちゃってどうするの

  • by tmiura (6268) on 2014年01月28日 13時29分 (#2534881) 日記

    今月のトラ技をパラパラしつつ。

    そもそも燃料電池というものがリチウムイオン電池よりエネルギー密度が一桁高いそうなので、他の燃料電池と比較してどうなのかを明らかにして欲しい。

  • by hahahash (41409) on 2014年01月27日 17時37分 (#2534357) 日記

    この電池を使ってロボットを作ると、
    砂糖を食べて酸素呼吸をするロボットになるのか。

    なんかちょっとステキだ。

  • by Anonymous Coward on 2014年01月27日 17時46分 (#2534365)

    甘い話には気をつけるんだ!

    • by Anonymous Coward

      大分前に機械工学の大学教授が、糖から作った電気エネルギーについて、
      人の栄養源を電気にするなんてもっての外だ、って言ってたの思い出した。

  • by Anonymous Coward on 2014年01月27日 18時09分 (#2534378)

    調味料と太陽光発電の広告が並んでいるなあ。

  • by Anonymous Coward on 2014年01月27日 18時14分 (#2534381)

    砂糖を甘酒に代替して、国産エネルギー獲得&国土保全とはならんかのう。

    • by Kitune_Udon (39109) on 2014年01月27日 21時34分 (#2534474) 日記

      Wikipediaによると、2008年の日本の年間消費電力が1,083,142GWh
      #2534380 [srad.jp]によれば、砂糖の食品としてのエネルギーが3490Wh/kgだそうな
      で、仮にそれを100%電力に変換したとして、必要な砂糖の量は310,355,873トン
      ここ [alic.go.jp]によると2012年度の全世界の砂糖の生産量が185,046,000トンだそうなので、世界中の砂糖を集めても日本1国を賄えない状態
      日本だけで見ると多い年でも年間200,000トンくらいしか砂糖を生産してないので、それを全部発電に転用しても0.1%も賄えない計算に

      ちなみに、甘酒は810kCal/kgで意外にローカロリーだそうなので、更に厳しいっすなぁ

      #やはり、バナナの皮で核融合するのに期待するしか……

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      • by love-m4 (10412) on 2014年01月28日 8時44分 (#2534641) 日記

        バナナが滅びたら人類滅亡。

        バナナの品種改良に立ち向かう博士と
        バナナの皮で転んだ恨みを抱きつづけるマッドサイエンティストの戦いが今始まるッ!

        #今日も一日がんばりましょう。

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        • by Anonymous Coward

          そして、ミニオンが生まれる。

    • by yatobi (7117) on 2014年01月27日 18時30分 (#2534391) 日記

      沖縄と奄美大島がエネルギー生産地としてせいちょうするのはともかく、甜菜栽培で北海道が食糧生産からエネルギー生産に振り向けられるようになると、逆に食料資源の確保に海外に頼らざるを得なくなったりして。

      そういえばキューバのトリニダーとロス・インヘニオス盆地にあるサトウキビ畑は砂糖が廉価になったせいで年々縮小傾向で荒れるに任されているそうなんだが、エネルギーソースとして角砂糖を輸出するようになったら復興するのかなあ…ブラジルのオレンジ畑ぶっ潰してサトウキビ転換するのが加速するだけかな。

      --
      # 爆言のち漏電中… :D
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2014年01月27日 19時15分 (#2534413)

    バイオ燃料がもてはやされた結果、投機筋の資金流入もあって穀物価格が高騰し、貧困層の飢餓が拡大したようなことが起きないといいですね。

    • by Anonymous Coward

      価格は別にしても、メタノール車と砂糖電池車が覇権を争って共倒れになる予感。
      メタノールや砂糖の原料をもっともっと開発しないとあかんね。

      • by Anonymous Coward

        >メタノールや砂糖の原料をもっともっと開発しないとあかんね。
        食うための糖質じゃなくてよいと思われるのでなんか適当なものを発酵させられるようになればいいかもしれないですね。
        毒性のある物と混ざっていても発電後廃棄物を焼却とかでなんとかなったりするんだろうか?

      • by Anonymous Coward

        セルロースが有望じゃないか?
        分解すればブドウ糖。
        高効率のセルロース分解酵素が手に入れば可能性は大きい。
        木材等ではリグニンと結びついている。
        実はこれがネックになっている。
        リグニンを高効率で分解しないと利用できる資源が限られてしまう。

        • by Anonymous Coward

          ちょっと!車に餌さあげた手で家さわらないで!!
          何べん木造と言ったら理解してくれるのこの子は・・・

    • by Anonymous Coward

      普及の度合いによるでしょうね。
      バイオエタノールが穀物価格の高騰を招いたのは、
      既存の内燃機関に少々の改造を施すだけで使用できた事に、
      原油価格の高騰が合わさり、急激に需要が立ち上がったのが背景にあります。

      今回の場合、対象となるのは電気自動車と思われますが、
      普及度合いと、バッテリーののせ換えという比較的規模の大きい改造が伴うので、
      バイオエタノールの時のような資源価格の高騰を招く可能性は低いのではないでしょうか?

    • by Anonymous Coward

      そのうち生ゴミ入れておけば土を生成しつつ走る車になるんじゃんかろうか。
      そのうちゴミを入れておけば適切なエネルギーをとった後、あまりを分別してくれるんじゃなかろうか。
      そのうちゴミを食べて発電する掃除ロボ兼乗り物がでるんじゃなかろうか。

      そして、掃除ロボに乗ってる人間はゴミ化してるんでじゃなかろうか。

  • by Anonymous Coward on 2014年01月28日 14時20分 (#2534929)

    誰もここにつっこんでいないが
    >しかも再充電可能であり
    って?
    普通に二次電池として充電できるの?
    そのためには逆反応を起こせる必要があるが…
    酵素を使った反応だと難しい予感。

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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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