ダンスミュージックや打ち込みの世界で非常に有名な機材に、Rolandのリズムマシンである「TR-808」がある。1980年代前半に発売された機材だが、現在でも多くのリズムマシンやソフトウェア音源などにTR-808由来の音、もしくはそれに似た音が搭載されており、知らずにその音を聞いたことがある人も多いだろう。このTR-808を現代に再現させた機材をRolandが発表した(ICONの記事)。

このプロジェクトは「AIRA」と呼ばれており、TR-808/TR-909に由来する「TR-8」、同じくRolandのベースシンセサイザー「TB-303」由来の「TB-3」、BOSSのボイストランスフォーマー「VT-1」由来のエフェクター「VT-3」、そして新しいアナログモデリングシンセサイザー「SYSTEM-1」の4機種が発表されている。

DSPを使って当時のアナログ回路を再現する「Analog Circuit Behavior」という技術を採用し、TR-808やTB-303の音をデジタルで再現するだけでなく、現代の機材らしくPCとの連携も可能。PCとUSBで接続して音声をPC側に96kHz／32bit浮動小数点のデジタルデータのまま直接出力する機能も備えられているとのこと。

近年ではKORGがアナログ回路を使った小型リズムマシンやベースシンセサイザーを開発・発売しているが、Rolandは完全デジタルで違った方向性を打ち出しており興味深い。