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電力

北大、650~850nmの可視・近赤外光も利用可能な人工光合成システムを開発 36

ストーリー by hylom
未来に期待される技術 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

7月9日、北海道大学が、従来の人工光合成では利用することができなかった650~850nmの可視・近赤外光を利用できる人工光合成システムを開発したと発表した(マイナビニュースプレスリリースPDF)。

人工光合成では、光を使って水を水素と酸素に分解するが、今回のシステムでは 0.05wt%のニオブを添加したチタン酸ストロンチウム単結晶基板を使用し、表面には金ナノ粒子を、裏面には白金版を配置。複雑な構造を持たない反応槽で水素と酸素を発生させることに成功したという。金ナノ粒子側では酸素が、白金側では水素を発生させることができるそうだ。

将来的には水素だけではなく、アンモニアなどの水素エネルギー密度の高い化学物質への変換も推進し、車などの移動体への搭載も可能にする技術へと発展させたいとのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2014年07月17日 7時58分 (#2640772)

    水の光分解じゃないのかな?

    • by Anonymous Coward on 2014年07月17日 10時20分 (#2640850)

      ここで提起されている反応自体は「水の光分解」で合ってる。

      光合成の全体像を図示するとこんな感じ。

      光合成
      ├─光化学反応(明反応)
      │ ├─水の光分解
      │ └─プロトン濃度勾配によるNADPH/ATP合成

      └─カルビン回路(暗反応)
              └─NADPH+ATP+CO2+H20→糖

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年07月17日 9時32分 (#2640811)

      関連ストーリーにもありますが、人工光合成で水と二酸化炭素のみから有機物を作成することには既に成功 [tytlabs.co.jp]しています。
      今回の成果は、人口光合成の前半の処理である水素と酸素の分離において「650〜850nm の可視・近赤外光が利用可能になったこと」であって、更にそれがエネルギーや添加剤を加えるなどではなく「極めて単純なシステムで可能である」という点です。

      親コメント
      • by Anonymous Coward
        自然界の植物で行われている光合成のうちの一部の機能だけであっても、それを「人工光合成」と呼ぶ場合があるのは事実なので、狭義か広義かの違いだけではあるのでしょうけれど。
        リンク先の研究だって、CO2と水からギ酸を合成できたという一点をして「人工光合成」と称しているのはやっぱり違和感アリアリですよ。(ギ酸だけに・・・)

        ましてや、少なくとも一部機能をして「光合成システムを開発」と称したんじゃ、そりゃ誤解を招くのも無理はない。
    • by clay (41656) on 2014年07月17日 19時02分 (#2641110) 日記

      人工光合成の定義は様々なのですが、ものすごい広義の人工光合成の定義として、
      (太陽)光エネルギーを化学物質として溜め込む反応系、というのがあります
      まぁ、異論はイロイロあるでしょうが、ともかくこの分野の人はこの様に言っています
      空を飛べれば、イチイチ鳥の真似する必要は無いけど、空は飛べているので鳥と言おう、位の感覚ですかね?

      で、人工光合成に関してもうちょっと言うと、非常に安定、つまりエネルギー源としては全く使い物にならない「水」から、光エネルギーで電子を取り出して、何らかの物質を還元することを指すこともあります*
      還元する相手としては、二酸化炭素が理想的ですが、今回の様にH+の還元によるH2発生もエネルギー蓄積反応なので、人工光合成をうたっています

      また太陽光発電と何が違うかというと、エネルギーを化学物質として溜め込んだ場合、電気よりも保存と移動が圧倒的に楽というメリットがあります
      ただ、本当の意味で人工光合成が筋の良い系かは、議論の余地がものすごくありますね

      *ものすごく荒っぽく言うと、燃焼反応は酸化反応なので、逆の還元はエネルギー蓄積反応と思って下さい

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        飛行機は鳥とは言わないでしょ。
        あーだこーだ言わないで初めから光分解と言えば言いだけ。
        素人でも知っている用語を使いたかっただけと思わずにはいられない。
        間違った用語を使い続けるのは文系馬鹿だけにして欲しい。

        • by Anonymous Coward

          鳥人間コンテスト

          • by Anonymous Coward

            そんなもの学問でもなんでもないし。

        • by Anonymous Coward

          #2641110は「ものすごい広義」とわざわざ断っているにもかかわらず、狭義の定義を持ち出して否定する。
          文理関係なしに議論するつもりもなく何でも否定してかかる教養のないやつはいるものだ。

  • 直接分解するよりも太陽電池→電気分解とか太陽熱→水蒸気改質とかで頑張ればいいのじゃないのかなあ。
    少なくとも、外から電流を与えつつ数時間かけてnmol単位の水素を作れたという段階で
    「車などの移動体への搭載も可能にする技術へと発展させたい」というのはいくらなんでも話が遠いのでは。

    • by Anonymous Coward

      でも実現すれば夢の永久機関ができるのでしょう。

      そりゃ壮大な夢も描きたくなるでしょう。

    • by Anonymous Coward

      鳥をそっくり模倣したロボットが全く無用と言う訳でなし、
      大量集中高効率を目指したシステムではない方面に使い道があるのでは。

      「車などの移動体への搭載も可能にする技術へと発展させたい」と言うのは
      判りやすく吹いているだけだと思う。

    • by Anonymous Coward

      動力飛行のことを言いたいんだとは思うが、
      グライダーはトンビの飛行を参考にして操作している。

    • by Anonymous Coward

      エネルギー収支だけでは考えられないでしょ。

      例えば、人類の生み出す総熱量の1%がハーバーボッシュ法に使われているが、実のところ、窒素からアンモニアへの反応は発熱反応。つまり、この「熱」は反応速度を上げるためだけに消費されている。別の言葉で言うと、触媒を使って、なお、中間生成物のエネルギーが高すぎる。

      光をダイレクトに使った方が、一端電気にするより有利ってこともあるんじゃないの。光合成は実績あるんだし。

    • by Anonymous Coward
      飛行機と鳥の形状に共通点が多いのはあくまでも偶然であると?
  • by Anonymous Coward on 2014年07月17日 13時33分 (#2640948)

    またこれかよ…
    プラチナや金が使い放題なら何でもできて当たり前で、誰も実用化に苦労したりせんのよ
    工業利用可能な元素で実現してから実用をぶち揚げろと言いたい
    この手の研究は全部ね

    • by Anonymous Coward

      余りにも的外れな指摘としか。

      どの教科書をみても、陽極には白金を使っているはず。これは変なものが溶け出しているわけじゃないことを示すのに、最も確実かつ伝統的な手法であるという以上の意味があるとは思えない。

      • by clay (41656) on 2014年07月17日 18時30分 (#2641093) 日記

        >これは変なものが溶け出しているわけじゃないことを示す、以上の意味があるとは思えない。

        白金は水の分解をアシストする触媒の役割もありますので、別の素材を用いてたら普通活性が下がります
        従って、実用性を重視するなら他の素材を探す必要があり、こちらを専門に研究している人がいます
        ただ、この研究のキモはエネルギーが低くて使いにくい近赤外線も使えるよ、って所なので、先ずは素性の良い白金を使っているのでしょう

        また、この系で貴金属は全て触媒の役割をしていますので、理想的には無限回使用可能なのです。
        効率や今後のエネルギー事情によっては、使える可能性は残ってます

        #ここからは、主に親コメに対してですが
        ていうか、実用化ウンヌンは一般向けのアピールで、中の人は直ぐに実用化出来るとは考えて居ませんよ
        ただ、現状筋が悪くても、新しい方式や原理を提示する、即ち手持ちのカードを多数持っておくのが将来を見据えれば重要ですし、国立大の役割だと思いますよ
        可能性の探索は大学がやり、企業は実用性のあるものを選んで製品化するという役割分担では問題あります?

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          科学的な真理は真理なのだから真理を追究する研究が進めば夢が現実になるという確信を抱いて将来(の夢)を語るのが研究者
          しかし素晴らしい科学的業績(真理)があっても工学的には往々にしてそれが実用になるかどうかが他の方式・手法との相対的競争力の優劣で決まることが多い
          そういうことをちゃんと説明しないマスコミ、そういうことを理解していない一般大衆が問題

          基礎研究の話なら同業者(専門家)に発表すれば良いのであって一般マスコミに向かって吹聴する必要は無いだろう~と言いたい所だが、今のご時勢ではお高くとまっていたのでは研究費獲得にも影響するので一般向けのいわゆるアウトリーチの活動もやらなきゃいけないのでついつい喜んでバラ色の夢を語るrことになるのでしょう

        • by Anonymous Coward

          周期表のあの辺の貴金属元素、特に白金ってのは化学の世界ではチートみたいなもんで、使えば大抵の事は何でも出来ちゃうんですよね
          その分バカ高いから代替物質なり極限まで使用量減らす方法なりを見つけないと工業的には使い物にならないわけですが…

          白金やら何やら使って凄い事出来ました!って言われても、そりゃ貴金属使いまくれば出来て当然だろと思うわけで
          アカデミックな価値としても大したもんじゃないという印象になってしまいます

          • by clay (41656) on 2014年07月17日 23時36分 (#2641272) 日記

            >そりゃ貴金属使いまくれば出来て当然だろと思うわけで

            あえて極端な表現をしているとは思いますが、ならば貴金属を大量に使っても良いので常温核融合でも成功させてから語ってください、という印象になってしまいます

            実用化が大事なのは分かりますが、貴金属を使用しているから無価値って言ってたら何も始まりませんよ
            科学者・技術者は魔法使いでは無いのですから、一歩でも進展していれば良い分野もありますよ

            あと、白金て工業的には全く使われていないのでしょうか?
            少なくとも金は身近な製品に使われていますね

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            • by Anonymous Coward

              白金は排ガス触媒、熱電対、分析関係のるつぼ・・・・こんなとこですかね。
              金はICのボンディングワイヤとか、端子の金メッキとか?

      • by Anonymous Coward

        頑張って研究してる人達の勘に触れたなら謝りますけどね

        だって過去のストーリーとか見てご覧なさいな、特に化学・素材・エネルギー絡みの画期的な発見って奴
        だいたいプラチナ・金・パラジウムあたりを山のように使ってて「コストが課題ですねー」ばっかりなんですよ
        ちゃんとコストの課題を解決できたものがいくつあるんですか?

        なんかの報告の中で貴金属の名前が出てきた時点で『ああ、これは実用化できないな』と思ってしまう癖がついてるのは自分だけじゃないと思います

      • by Anonymous Coward

        知らないのに書き込みすると馬鹿がばれるという典型的な例だね。

    • by Anonymous Coward
      三元触媒 [wikipedia.org]とか市井のガソリン車に大抵付いてると思うけど
      白金は工業利用可能な元素ではないのか?

      いや車に触媒なんて付いてない、って国もあるのかもしれんが・・・
    • by Anonymous Coward

      ここで金を使っているのは、集光のためのプラズモンの利用ですね。
      この研究室ではアルミニウムのナノ構造でも同じことを研究しています。
      銅とか銀でも出来るはず。

  • by Anonymous Coward on 2014年07月17日 23時38分 (#2641274)

    極低温とか高温とかで劇的に改善されないかなあ。氷とかエネルギーが余分にいるのは分かっているけど。

    #藤嶋さんっていま何してるんだろ?小学校のとき図鑑で見てすげーって思った。

    • >極低温とか高温とかで劇的に改善されないかなあ。

      この手のって言うのが何を指しているか分かりませんが、人工光合成系に限れば大部分が化学反応を取り扱うことになります
      多くの化学反応場合、温度を下げると反応速度が下がり、極低温では非常に不利になります
      一方、極高温ですが、材料を構成する部品に有機物が用いられる場合は、有機物の分解が問題となります(単純に言うと燃えてしまう)
      この系では、基本部材に有機物を用いていないので高温化による性能向上もあるかもしれませんが、熱エネルギー分を回収するのが困難になります
      そんな訳で、わざわざ温度を変えるメリットが見いだせないためやらないってのがメジャーな考え方です
      ただ、それなりのメリット等を見いだして、研究している人も一定数おりますが、現状は劇的な結果は出ていないと、、、

      >#藤嶋さんっていま何してるんだろ?
      東京理科大学の学長をされていますよ

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        丁寧な回答ありがとう。超伝導みたいなビックリ想定外の効果が見つかれば、ノーベル賞だぜ。

        • by Anonymous Coward
          低温というより例えばボース・アインシュタイン凝縮状態でどうなるか、と言いたかったのね
          物質の流動性は温度を下げれば落ちていくのが常識だけど液体ヘリウムの超流動は違う、
          では化学反応では?みたいな
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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