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ハードウェア

産総研、多結晶ゲルマニウムトランジスタの大幅な性能向上に成功 21

ストーリー by hylom
ゲルマニウムの時代が来るか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

産業技術総合研究所(産総研)が12月16日、N型多結晶ゲルマニウムトランジスタの性能を大幅に改善するという技術を開発したと発表した(プレスリリース)。

電子回路の素人であるタレコミ者としては、ゲルマニウムトランジスターラジオキットの半田付けでリード線に吸熱アルミクリップが必須だった程熱に弱いゲルマニウムトランジスタで、電熱ヒーター並みと称される集積回路ができるものなら凄い話だと、素直に感動する。

多結晶ゲルマニウムは多結晶シリコンと比べて低い温度で形成できるのが特徴で、より高速、より低電圧での動作も期待できるとされている。しかし、多結晶ゲルマニウムによるN型トランジスタは電流駆動力が低いという問題があった。

今回開発された技術は、フラッシュランプ・アニール(FLA)法による熱処理後、N型不純物としてリンを注入、その後再度FLA法による熱処理を行うことで、N型多結晶Ge膜を生成するというもの。この方式で作成した多結晶Ge膜は単結晶シリコンを上回るホール効果移動度を持っており、またこの技術を使って作成したトランジスタはほぼ同サイズの多結晶シリコンを使ったN型MOSFETと同等の性能を持つことが確認されたという。

今後は、多結晶ゲルマニウムを使ったP型トランジスタとN型トランジスタを組み合わせた集積回路の作成や、LSIの作成を目指すという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by necop (6252) on 2014年12月23日 12時27分 (#2732647) 日記
    高出力クリスタルイヤホンだな
  • by Anonymous Coward on 2014年12月23日 7時15分 (#2732562)

    そんなにいいことずくめなら早く商品化してくれよ。
    でも、産総研ってことだから直接の製品化はないんだろうね。
    どこぞの半導体メーカが使わせてくれってこないってことは研究者の自己満ってこと?
    それはそれでモッタイナイ。

    • by Anonymous Coward

      現在の最先端である14nm以降のプロセスの素材としてゲルマニウムは注目されてたはず。

      本当に有用なら、インテルやGLOBALFOUNDRIES、TSMCあたりが声をかけるんじゃ?

      • by kentok (41940) on 2014年12月23日 9時50分 (#2732591)

        声はかけませんよ。
        単に真似をするだけ。
        もう少しノウハウと特許で囲い込まないと
        技術をとられるだけですね。

        産総研としては特許料を少し貰えれば御の字なんでしょうが
        日本の半導体再生には繋がらないでしょうね。

        --
        -- 風は東京に吹いているか
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2014年12月23日 8時05分 (#2732571)

    半導体の正孔を指す”ホール”とホール効果の”ホール”は別物です。

  • by Anonymous Coward on 2014年12月23日 14時04分 (#2732684)

    菊地誠氏がご存命だったら、聞いてみたかった。電子立国の古本をちらみ

  • by Anonymous Coward on 2014年12月23日 14時32分 (#2732711)

    シリコンに比べて何がいいの?

    • 技術的なコメント皆無ってのも悲しいので、遅ればせながら書いてみる。

      この研究の背景には、ICの平面方向の微細化がそろそろ行き詰まりそうなので、3次元に積層しようって流れがあります。
      プレスリリースの左の図のように、縦方向に回路を積層するのが目標です。
      NANDフラッシュメモリでは、先行してSamsungが商品化していますが、ロジック回路ではまだ実現できていません。
      難しいのは、上の層に多結晶のMOS素子を作る際に高温の工程があるため、先に作った下の層に影響を与えてしまうためです。

      この際、シリコンの多結晶で作る場合は1000度近い温度が必要ですが、ゲルマニウムの多結晶なら500度以下で実現できるのが利点です。また、多結晶は単結晶に比べてキャリア移動度が低くなりますが、シリコンよりもゲルマニウムの方がキャリア移動度が高いため、多結晶で作る際の性能が高くできると期待できます。

      では、この技術ですばらしい製品を実現できそうか?というとそれはまだ無理です。
      今回の発表で、多結晶ゲルマニウム自体のキャリア移動度は、既に単結晶シリコン並にまで実現できています。
      ただし、それを用いて作ったMOSFETの性能(飽和電流)は従来の10倍に改善したようですが、それでも単結晶シリコンの1/10です。ON/Off比も10^3程度に改善はしていますが、まだまだリークが大きすぎて大規模な回路を作れるレベルでは無いです。
      ゲルマニウムの場合、MOSを構成するための酸化膜を作るのが難しいらしいので、そこがネックなのかも知れません。

      むしろ現在多結晶シリコンを使っている用途、低温ポリシリコンのTFTパネルとかを置き換えられると面白いんじゃ無いかと思いますが、コスト面で厳しいでしょうね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      肩こりに効くらしい

    • by Anonymous Coward

      電子の移動速度が速いんじゃなかったっけ?

    • by Anonymous Coward

      ドイツ人が発見したらしい

    • by Anonymous Coward

      シリコンはイメージ悪いですからね

    • by Anonymous Coward

      揉んだ手触りが固いらしいですね、やはり天然ものが。
      #ってそれはシリコーン(笑)

  • by Anonymous Coward on 2014年12月24日 10時50分 (#2733181)

    シリコンは0.6vなので縦に積むとすぐ、乾電池1本の電圧を超えてしまい高度な回路が組めない。
    しかし、ゲルマは基本的に熱に弱く夏の直射日光で素子が壊れたりする。

    • by Anonymous Coward

      そのくせリニアな領域が上の方だから006P(9V)なんて必要だったんだよな。
      006PはソニーがTrラジオのために作らせた。これ豆な。

      • by Anonymous Coward

        端子を舐めて酷い目にあいました

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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